財産分与を放棄してしまうと?

離婚の話し合いをするのは、精神的にも想像以上のパワーとエネルギーが要るといわれています。
ただでさえ口論や言い争いというものは人間を痛めつけるというのに、それを一度は深い仲になった相手としなければならないということは、尋常なことではありません。
そういった精神状態から最近は「慰謝料の請求や財産分与を放棄する」という人も珍しくなくなってきました。

しかし、離婚の話し合いをしているときというのは、感情的にも理性的にも通常の自分とは違うということを客観的に感じることが非常に大切です。
前述のように勢いや気持ちに流されてもろもろの金銭的な請求を放棄した場合、後々になって「やっぱり気が変わった」ということは難しくなります。
とくに、夫婦間で財産分与に関するお互いの意向を記載した書面を残していたり、離婚後から何年も経過していたりすると、ますます不利な状況となり、後悔先に立たずということを思い知らされる結果となってしまいます。

そうならないためにも、できる限り金銭的な話し合いというものは気持ちをどこかにおいて置いて、冷静にあくまで事務的に進めることが離婚の話し合いにおける失敗しない交渉の方法といえるでしょう。
もしも、不安な場合や心配なときには、専門家に相談するのも良いと思います。

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